カジノで日本経済は本当に活性化するのか??〜IR政策を考える〜

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*留意
この記事は2014年に作成したものです。
記録として残すものです。
2020年現在の筆者の見解等には
必ずしも合致しない場合があります。

秋元司衆議院議員が収賄の疑いで逮捕されたりと動きがあったとはいえ、
6年前からずーっと同じこと言っているんだなあと。

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要約

現時点においてIR推進法案は、衆議院を通過出来るほど充分に議論がなされていない。
この状況で法案を通し行動に移すことは大きな過ちを犯す可能性がある。
そのため議会含め政府はIR推進法案を再検討するべきである。

初めに

 11月21日、衆議院が解散で閉幕しIR推進法案は審議入りすることはなかった。
ただ2020年東京オリンピックのことを考えると、この法案は決して素通り出来ないものである。
しかし現時点のIR推進法案は欠点が多いだけでなく、十分な議論すら行われていないように思われる。
より現実的な予測と運営方針などを検討しなおし、より良い法案にするべきである。

1. IR推進法案とは

IR推進法案とは「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」の略でカジノを含む観光施設の導入によって、
一般観光客だけでなく世界の富裕層観光客を取り込もうというものである。

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(http://www.shugiin.go.jp/ internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/83hou29youkou.pdf/ 183hou29youkou.pdf より転載)

2. 経済活性化の期待

米カジノ運営大手のCLSAの試算によると、
東京、大阪の二大都市と10の地方都市でカジノが設立された場合、
ゲーム産業から年間で総額400億ドル(約4兆円)の売り上げが期待できる。と発表した。

この規模はアメリカ、マカオに次ぐ世界第三位隣、近隣のシンガポールを300億ドル以上上回る見込みである。
これによって雇用や地方公共団体の税収拡大の効果なども期待できるといえる。
 また東京オリンピックも含め訪日観光客の増加は日本経済に多大な貢献をすると見込まれる。
森本記念財団都市戦略研究所の試算によると、オリンピックの経済波及効果は19.4兆円にものぼるとされる。

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http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140106/biz14010607430000-n1.htmより転載)

3. グレーゾーンギャンブルの廃止

 カジノ合法化の2次作用として、パチンコなどのグレーゾーンギャンブルの根絶を期待できるというのも1つの特徴である。
現時点でパチンコなどは「三店方式」というギリギリの戦略で法律違反から逃れているが、
カジノを合法化すればこれらのグレーゾーンギャンブルを廃止や国営化とする口実となりうる。
約30兆円もの市場規模をほこるパチンコ業界を国営化することは、実はカジノよりも効率的なのかもしれない。

4. 期待できる経済効果は本物か

 先ほど外国人の富裕層観光客の増加による経済効果を挙げたが、はたして本当に大きな成果の上げるのだろうか。
これは安易な予測だとしかいいようがない。下の図は世界的なカジノの地域とその規模である。 

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(http://www.nikkei.com/article/DGXZZO61372670R21C13A0000000/より転載)

 これを見て分かることは、アジアにここまで巨大なカジノ産業があるというのに、
わざわざ日本まできてカジノを目的にくる観光客の数がそこまで増えるだろうかという疑問である。
日本のすぐ近くのマカオは、あの面積で既にアメリカ全体に匹敵するだけの規模になりつつあるし、
現時点でラスベガスに50倍近くもの収益の差をつけている。良質な富裕層がこなければ治安悪化の程度は更にひどくなってしまう。
 そもそもこのIR法案は2020年のオリンピックに標準を合わせているが、開催年以降のカジノの経済効果をどう考えているのだろうか。
比較対象として先進国の中で最も直近で行われたロンドンオリンピックを挙げてみる。
観光庁のデータによると、2011年と開催年と2013年の訪英外国人旅行者数の推移は微弱なものでしかないことが分かる。

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こうみるとイギリスよりも世界遺産も少ない日本が、本当に東京オリンピックで観光客の異常な増加が望めるかどうなのかすら怪しくなってきてしまう。
更にオリンピック後にリピーターとなる観光客の確保が何よりも重要であるのにそういった箇所は一向に議論が進んでいないのが現状である。

5. まだまだ未熟な議論

 10/10の日経新聞によると日本のカジノに日本人が入場する場合は、入場料金がかかる方針であるとされた。
これの目的は、カジノの敷居をあげることでギャンブル依存症になる人を抑えるためである。しかしこれは経済学的に言えば逆効果である。
どう言うことかというと、高い入場料という免罪符は彼らをより長くカジノから返そうというインセンティブを奪ってしまう。
なぜならまた入場時にお金がかかってしまうからである。これではせっかくの方針が無駄なものとなってしまうのではないか。

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 ほかにも、カジノ運営を国営か民間主導かという議論も未熟な状態である。
たしかに国内のギャンブルはパチンコ業界を除きすべて国が管轄しているが、3割もの団体が赤字で売上も軒並み低下している現状である。
もしカジノ運営が赤字になった場合、それで補充されるのは日本国民の税金である。これでは本末転倒であり、そもそもこんな法案通すだけムダである。
さらに、官僚たちに新しい天下り先を与えてしまう危険すら十分にある。

 だからといって民間主導にすれば国を含め地方公共団体の税収比率は低くなってしまうし、
人経費などの問題から企業が運営に日本人を雇用しなくなることもある。
 このように考えていくと、現時点で国会において当政策を承認するのは議論が甘すぎるといえるだろう。

6.終わりに

 IR推進法案はグレーゾーンギャンブルの国営化や廃止、カジノから税金を徴収出来る大きな機会である。
しかし現状のこの法案はまだまだ欠陥が多く、経済的損失だけでなく国の治安や腐敗を招く可能性も十分にあるのである。
そうならないためにも、より現実的な予測をし、運営方針など細かい議論を進めていくべきである。

参考文献

  • http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140106/biz14010607430000-n1.htm
  • http://pcsa.jp/saiyo/industry/index.html
  • http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18301029.htm
  • http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H03_Q4A011C1EAF000/
  • http://www.nikkei.com/article/DGXNASDN28002_S0A600C1000000/
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