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本当に女性が輝ける未来とは 〜労働力不足と人口減少の狭間で〜

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*留意
この記事は2014年に作成したものです。
記録として残すものです。
2018年現在の筆者の見解等には
必ずしも合致しない場合があります。

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要旨

現在政府をはじめ、多くの企業が欧州を見習い女性の社会進出を期待し歓迎していて、そのための制度改革も議論され始めている。しかし過度の女性の社会進出の後押しは将来の日本の国力を失ってしまう。女性の社会進出はまだ時期が早い、そして過度の後押しはやめるべきである。理由は3つある。1. 少子化が深刻な社会での女性の社会進出はさらなる少子化につながる。2.政府の政策を含め女性登用の数値目標の設定は憲法違反である。3.北欧諸国は日本と人口も歴史も経済力も文化も違う。以上のことである。そして日本政府は女性に関してはまず少子化対策をするべきである。

初めに

“政府は2日、企業に対して女性登用に向けた数値目標を作り公表することを義務付ける方向で再調整に入った。”

“自民党も議員候補者に女性枠をつくるクオータ制を導入すべきだ。”

これはどちらも日経新聞の記事である。これを見ると政治家が女性の社会進出を後押しする議論を盛んに行っているようにみえる。しかし、欧州を見習った女性の社会進出が果たして日本国のためになるのだろうか。一時的なカンフル剤でしかなく、自分たちで将来の日本の首を絞めようとしているのではないのか。そしてこの問題は今真っ先に行わなくてはならない問題なのだろうか。

1. 少子化を悪と叫び少子化を目指す政府

少子高齢化の問題はかつてから多く議論されている。政府は1994年のエンゼルプランを始めとして20年近くに渡り少子化問題に取り組んでいて、その問題の危険性と緊急性については重々承知しているはずである。しかし一向に少子化が回復しないのは一体どういうことだろうか、むしろ年々政府は少子化問題を声高に叫んでいるのに悪化しているようだ。
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(内閣府より転載)
しかし、昨今政府が行っている経済政策としての女性の社会進出は少子化問題を悪化させるとしか言いようがない。まず少子化の原因は2つあり1.晩婚化の進行2.子供を望まないインセンティブである。
1) 晩婚化は年々増加している。晩婚は出産の年齢的諦めで出生率の低下につながる。そして妊娠を選択したとしても、それは女性の体にも産まれてく子供にもリスクが上昇させ生物学的にも良いことではない。

“35歳過ぎて、ましてや40歳を過ぎて不妊治療に受けるには限界やリスク
がある。なぜなら女性の生殖機能の適齢期は高齢化しているわけではな
いから”

“医療の発達に伴い、たまたま高齢出産している知人や有名人を見て自
分も高齢出産ができると勘違いをする。”

最近の女性はメディアの影響か高齢期出産は自分にも多少辛いが可能
なものと捉えている人が多いようだ。
2) 女性が社会進出したことで出産して子育てをするというインセンティ
ブが働きにくくなった。
厚生労働省の人口動態統計によると、出生数の総数は減少しているだけでなく出産年齢に対する出生数も年々高くなっている。
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(人口動態統計より作成)

出産年齢の高齢化は2人目の妊娠希望を阻害する。それは特殊出生
率の低下となる。
この悪循環の中、社会進出し仕事に生きがいを感じ妊娠を望まなくな
る女性がさらに増えれば人口は減り続け、移民でしか維持出来ない。

2. 政府による憲法違反と逆差別暴走

8月5日、政府は女性活用推進の一環として助成対象補助金の創設、20年までに女性管理職を30%に増やすと数値目標を設置した。(日本経済新聞より)
このニュースを聞いて驚いた人もいるであろう。女性の社会進出という大義名分で憲法違反の「逆差別」を政府は行っているのである。なぜなら日本国憲法第14条には

“すべての国民は、法のもとに平等であって、人種、信条
性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。”

と明記されている。女性管理職の割合を増やすというのは、女性管理職の絶対数を強制的に増やすか、男性管理職の絶対数を強制的に減らすか、のどちらかしか方法はない。男性と女性が法のもとに平等であるならば政府が数値目標を掲げ女性管理職を強制的に増やすとなると、これは明らかに男性にとって平等ではない。なぜなら男性の管理職候補は市場の原理によって機会の均等が保たれていた中、女性管理職の目標達成のため彼らに管理職を断念してもらわなければならないからだ。極論を言えば女であれば国から金がもらえるのである。これが差別でなければ何なのか。
政府がこの数値目標を掲げるよりまず先に、国民投票を行い「管理職になりたい女性」の割合を調査するべきである。それも行わず政府の独断で、政府の北欧社会への気持ちの悪い信仰の結果か、
「ヨーロッパとくらべ女性の社会進出が遅れているので、北欧を見習い30%の数値目標を設定します。憲法14条の特例です。」
これでは国は良い方向に進むわけがない。政府が国民との約束で守らなければならないのが憲法ではないのか。財政難と言いながらもばらまく資金はまだまだあるようである。

3. 北欧信仰への警鐘

よく女性の社会進出の問題を論じる時、日本の役員・管理職の女性比率を挙げて先進国の中で最低水準であり、北欧の社会のあり方を褒め称える者がいるが、彼らも政府同様浮ついた北欧信者である。
女性役員の数値目標を定める上で、政府は日本と他の先進国とを比較し欧米並にすると言っていた。特に北欧は日本に似て高福祉社会であるため参考になると煽る企業もいる。アデコなどの転職サイトである。
女性社会進出の最先進国であるノルウェーを例に挙げるがこの国の企業はかわいそうなものである。

“ノルウェーは首相と財務相が女性であり、女性登用先進国として知られている。ノルウェー経済界で最も重要な役職といわれている雇用主組合(日本の経団連に当たる)と労働組合連合会のトップも女性だ。03年の会社法改正により、上場企業の取締役会における女性の割合を40%以上とすることが義務づけられたことが、女性登用が企業に広がる契機となった。
だが、女性登用の成功例として取り上げられている一方、副作用のほうが大きかったという指摘もなされている。米・南カリフォルニア大学のケネス・アハーン助教と米ミシガン大学のエイミー・ディットマー準教授は、ノルウェーの40%割当制について実証分析を行った。対象は01~09年の上場企業248社。
まず、03年に40%割当制の導入が決定すると、対象企業の株価は大幅に下落し、その後、数年間で女性役員比率が10%増加したことで時価総額は12.4%下落したという。負債等も大きくなり、営業成績にも悪化が見られたという。さらに、同制度の対象となるのを避けるため、09年の上場企業数は、01年から約3割減った、つまり非上場企業に転換した会社が約3割増えたという。
企業のモラルハザード(経営倫理の欠如)も招いた。確かに上場企業の取締役会は女性役員が40.7%を占めているが、数合わせのために女性の社外取締役を増加させる事態が横行し、実際に経営に携わる女性役員は6.4%にすぎないともいわれている。
前述の通り政府は女性登用を重要政策として掲げているが、具体的な数値目標を掲げる上では、経済全体にどのような影響を与えるのか、正負両面から十分な議論が必要といえよう”

(Business Journal より抜粋)

こんな状態になる国があるというのに何故日本政府は数値目標を定めようというのだろうか。政府が推奨するし民間がそれに応える。これならまだ納得もできるが、政府が数値目標を定め民間にそれを強制させようとすれば間違いなく問題が生じるだろう。

4. 政府が取るべき順序

以上見てきたように、政府の女性活用推進策は非常に危険なものである。確かに将来的に女性の社会進出は当然必要である。しかし現在働いている女性の育児休暇や待機児童の問題も解決していない状態で、労働力確保のためにそこまで仕事に興味のない女性まで煽りたてるのはどういったものかと思う。
まず政府がするべきことは、現時点で働いている女性に対して出産や子育てが気兼ねなく出来、もう一度職場に戻りたいと思った時に復帰できる環境を整えることである。そして働く気のない女性を働かせようとせず子供を多く産んでもらえるような少子化対策の政策をとるべきである。
それが達成できていなうちに女性の社会進出を過度に後押しする行動は、人口減少に拍車を掛け国力を失うこととなり将来の日本を破滅させる。

5. 終わりに

過度の女性の社会進出の後押しは将来の日本の国力を失ってしまう。女性の社会進出はまだ時期が早い、そして過度の後押しはやめるべきである。理由は3つある。1. 少子化が深刻な社会での女性の社会進出はさらなる少子化につながる。2.政府の政策を含め女性登用の数値目標の設定は憲法違反である。3.北欧諸国は日本と人口も歴史も経済力も文化も違う。以上のことである。そして日本政府は女性に関してはまず少子化対策をとるべきである。そして人口問題が解決しかける頃、本当に女性が輝けるための社会的政策をとるべきである。

6. 参考文献

・ 日本経済新聞8/5WEB速報
・ http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai13/dl/h3_4.pdf
・ http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/torikumi.html
・ http://www2.axa.co.jp/info/news/2010/pdf/100315.pdf
・ http://www.adecco.co.jp/vistas/adeccos_eye/34/
・ http://biz-journal.jp/2014/09/post_5954.html
・『間違いだらけの高齢出産』吉村泰典 新潮社
・『2020年の日本人―人口減少時代をどう生きる』松谷明彦 日本経済新聞出版社
・『少子化と日本の経済社会―2つの神話と1つの真実』樋口美雄 日本評論社

今考えると

出生率と女性の社会進出は今ではとても扱いづらいテーマだよね。
現状では女性にしか果たせない役割がある以上、綺麗事だけでは語れないよね。
北欧信仰に関して最近では
出生率が上がった。フランスが少子化を克服できた本当の理由って?
こういった記事もあるし、成功例を模倣するってのも本当に重要だと思う。
まだまだ十分議論の余地があるテーマだし課題の残ったレポートだと思います。



じゃあね〜〜〜。