悪いヤツってのは悪いほど合理的なのだろうか??
貧困と暴力の因果関係、そして開発経済学についての本を読んだ。
開発経済学とは複雑な学問である。なぜなら開発経済学における二人の巨匠がいて全く正反対のことを言っているからだ。経済学ではしばしば真逆の事をいうものだが、開発経済学では特にその傾向が強い。
一人はジェフリーサックスで、彼は
先進国は今の5倍援助すれば貧困はなくなる。
と言っている。一方もう一人の巨匠であるウィルイースターは
そんな多額の援助は必要ない。
なぜなら数兆の援助を行ってきたのに結果が出ていないからだ。その代わり、しっかりと先進国が監視するべきだ
とこのように指摘している。
腐敗や紛争についても書かれていて非常に納得できて面白い。
紛争は貧困がもたらす
この言葉に疑問を持つ人が多くいると思う。いまアフリカなどの発展途上国で起きている数多くの紛争は貧困が原因なのである。社会学や、世界史、民族学を学んだことのあるものならこの発言は異様に見えるのは確かに納得である。紛争は民族間、宗教間で起きているもので貧困ではない。という人が多いと思うが実はそうではない。理由は読んでみてからのお楽しみである。ヒントとしてあげられるのはが雨である。興味があれば答え合わせをしてみると面白いと思う。
また国の腐敗に関しても面白いデータを提示していた。
秩序のある腐敗とは非常に合理的である。
これはとても興味深い指摘である。いまいちピンとこない人がいるように思えるので説明をすると、役人を買収することや関税の低い商品コンテナの中に関税の高い商品を混ぜて輸出しようとする等といったことは、見つかった時のリスクなども考慮しても腐敗をするだけに値するということである。
著者は紛争の解決策として開発経済学を応用した紛争予防緊急支援(RCPS)というのを紹介していた。この経済政策はなかなか面白く実質的な政策だと思った。
この紛争予防緊急支援(RCPS)をわかりやすくすると、暴力(紛争)が起きたあとに人道支援などをしに行くのではなく暴力(紛争)が起きる前に防ぐという予防策に近い支援である。彼らに銃などといった武器ではなくスコップをもたせ続けようということである。
全体的に開発経済の面白い話が読めて楽しい1冊だが、著者が経済ギャングに対しての明確な対策、戦い方を提示していなかったのが残念だった。
タイトルと内容が結構違ってて邦訳本の悪いところがしっかり出てた。
悪いヤツが合理的であるならば、もっと早くアフリカは発展しているかもしれなかった。
実は悪いヤツってのは先進国なのかもしれない。
これを書いたのは2014年、まだ学生の時だね。(笑)
皆さんはどう考える?
ふらっと考えてみてくださいな。
ふらっと考える時に使った本
・「悪い奴ほど合理的/レイモンドフィスマン、エドワードミゲル」
じゃあね〜〜〜。