人はインセンティブに基づいて行動する。
経済学の発展した現代では広く普及した概念である。
インセンティブを端的に言うと
人は得になる行動をする。
である。
しかし、いつでも誰にでも得になる情報が転がっているのだろうか??
残念ながらそんなうまい話は転がっていない。
経済学では
ノーフリーランチという。
(例)東京横浜間での白菜の*裁定取引におけるノーフリーランチ
同じ品質の白菜に関して、東京では1個100円のところ、横浜では1個200 円だったとする。この時「東京で白菜を買って横浜で売る」ならば、
リスク無しで1個あたり100円の利益を得ることができる。
*裁定取引=市場ごとの価格差を利用して利益を得る行動のこと。
しかし、そんな「うまい話」があるはずもなく、このノーリスクで利益を得ることができると気づいた人はこの取引を繰り返すことになるはず。
そうすると東京での白菜が品薄になり価格が高騰する、横浜では逆に白菜が増え価格が低下する。
そのうちどちらの市場でも白菜の価格が均衡してしまい、裁定機会は消滅する。
異なる市場の間で自由に、活発に取引が行われている限り、裁定取引は発生したとたんに埋められてしまう。
その結果、同じものの値段はどこでも同じという「一物一価の法則」が成立する。
このように裁定機械が消滅している状況は、市場間の取引が円滑に行われており「市場が効率的である」ことを示す。
一方、商品の移送が制限・禁止されている経済では「一物一価の法則」は成立しない(=市場が非効率的である。)。
経済活動がノーフリーランチな状況にあるということは、経済学の基本原則である「稀少性」の問題からもわかりやすい結論である。みんなが欲しがる「いいこと」「得になること」が放置され続けるということはないというわけである。
裁定理論、そしてその帰結であるノーフリーランチの原則は「うまい儲け話はない」といった極めて常識的な結論のみならず、実際の資産価格の理論を考える上で非常に重要なアイディアである。
例えとして誰もが儲かるうまい話はないという性質から株価を求めることができる。
そして、それは銀行にあずけても株を買っても、得られる利益は同じという状況になっている。
では実際の社会で裁定取引をする人はいないのか?
そういった疑問を持つ人がいるだろう。Fxをやっている人、特に仮想通貨Fxをやっている人は裁定取引というのを見たことがあるだろう。
1つの考え方として、市場が未発達である点が挙げられる。
これにはまた深く考えたい所なのでまた次回にしよっと。